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2019.01.29

非器質性精神障害の後遺障害等級(自賠責と裁判所)

ホームページの「ノウハウ」の中にも記載しているが、非器質性精神障害については、専用の診断書の様式があり、特別の認定基準が存在する。

専用の様式には、症状の内容やその程度を詳細に記載できるようになっている。

後遺障害等級に関しても、比較的分かり易い認定基準が存在する。

したがって、診断書の内容を当該基準に当てはめれば、結論としての等級が出てくるようにも思われる。しかし、実際はそう単純ではない(少なくとも自賠責では)。

要するに、診断書の内容を基準に当てはめると12級になってよい事案でも、自賠責では多くの場合14級に止まる。

それはなぜかは、よく分からない。もしかすると、怪我の内容や事故の状況から、通常生じる精神障害の程度を想定し、想定を超えるような過剰な症状が出たとしても、それは事故との相当因果関係を欠くものと考え、14級の認定に止めているのかもしれない。

あるいは、精神科の診断書は、本人の訴えに依存する部分も少なくないことから、記載内容の信用性に疑念を抱いているのかもしれない。

原因は判然としないが、少なくとも非器質性精神障害に関する自賠責保険の認定では、診断書には強い症状の記載があっても、14級の認定に止まる傾向が強いように思われる。

これに対し、裁判例を見ると、自賠責14級に止まった事案についても、診断書の内容を認定基準に当てはめ、その結果から14級を超える等級を認定している例も存在する。

勿論、症状固定時点での診断書の内容が信用できることが前提になるだろうから、治療中のカルテの記載内容との整合性なども問題になってくるかもしれない。例えば、カルテを見ると、それまでは全く訴えのなかった症状が、突然、症状固定時の診断書に出てきても、なかなか信用してはもらえないと思われる。

いずれにしても、非器質性精神障害における自賠責保険の認定傾向からすると、裁判所で等級を争うという手法も、選択肢としては頭においておく価値がありそうである。

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弁護士 榎木貴之

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交通事故問題の将来

愛知県内の人身事故発生件数(平成27年)は4万4369件と報告されています(愛知県警察本部交通部「愛知県の交通事故発生状況」)。死者数は213件と報告されています。年別の推移をみると、交通事故発生件数は年々減少しています。しかし、都道府県別発生状況をみると、愛知県は人身事故発生件数も死者数も全国一位となっています。愛知県内の地域別発生件数をみると、人口も多いからだと思いますが、名古屋市が最も多い1万4250件と報告されています。自動制御など自動化も徐々に進み、自動車の安全性能は格段に高まっているとはいえ、やはり自動車は「凶器」に違いありません(勿論、大変便利なものですが)。
私も名古屋市に住んでおり、事務所も名古屋駅前の錦通沿いにあります。名古屋市内を走る錦通、広小路通、桜通などは車線も多く、しかも直線ですから、特に夜間などは相当な速度で走行する車も珍しくありません。車線変更の際に合図を出す、一時停止では止まって安全確認をする、そういったことを守らないドライバーを見かけることもあります。私は弁護士として数多くの交通事故案件を取り扱う中で、交通事故被害に苦しみ、人生を大きく変えられた被害者の方を沢山見てきました。現在の法制度では満足な救済が受けられず、弁護士として悔しい思いをしたこともあります。ですから、そうした無責任な運転行為をみると、心の底から腹が立ちます。 ただ、こうした交通事故問題を巡っては、近い将来、大きな変化が起こると考えられます。とても望ましい変化です。それは、2020年代には完全自動運転が実現される見通しとなっているためです。当然ながら交通事故発生件数は大きく減少するものと思われます。また、仮に交通事故が起きたとしても、自動車の位置情報が数センチ単位で把握できるようになるわけですから、事故態様の再現も容易になります。ドライブレコーダーのような画像情報も保存されるようになるはずです。これまでは、当事者の話や現場の痕跡などから事故態様を再現していたわけですが、そうした作業は非常に簡略化されていくものと思われます。加害者側と被害者側の主張する事故態様が大きく食い違う、という事態も少なくなるはずです。さらに、完全自動運転となれば、もはやドライバーの責任を観念しづらくなるため、責任の所在についても大きく変化していくはずです。当然ながら、法制度、保険制度の大幅は見直しが必要となってきます。 これからの10年間は、交通事故を巡る問題が大きく様変わりする時期だと思います。まだ議論は始まったばかりですが、弁護士として大変興味を持っており、今後研究を進めていきたいと考えている分野です。そのような変化の中で、交通事故被害者側の弁護士として思うのは、新しい制度が、被害者側に不利なものであってはならない、ということです。変化を見守りつつ、必要であれば、声を上げていくことも弁護士として必要なことだと考えています。

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