自賠責保険基準
自賠責基準とは、自賠責が定めている支給基準のことで、通常、最も低額になります。
任意保険基準
任意保険基準とは、任意保険会社が賠償金を算定する際に用いている基準のことです。ただし、これは、保険会社によっても異なると思われますし、また、同じ保険会社であっても、事案によって異なるものと思われますから、何か決まった基準が存在するわけではありません。
一般的には、自賠責基準に多少の色を付けた程度の提示をする場合が多いと思います(特に、弁護士が介入していない場合には、その傾向が強いと思います)。
裁判基準
裁判基準とは、裁判所が損害を算定する際に用いている基準のことで、通常、最も高額になります。裁判基準といっても、裁判所によって多少の違いは存在します。
弁護士が行う示談交渉の目的は、要するに、裁判基準に近い示談成立を目指すことです。それが難しければ、相談の上、裁判やADRの手続を検討します。
私のこれまでの経験でいうと、解決済み案件の内、8割以上は示談により解決しています。示談交渉の進め方は様々です。また、メリット・デメリットが存在します。したがって、お客様と相談し、ベストな選択肢を考えていきます。
示談のメリット・デメリット
↓
示談による解決が難しい場合には、次の段階として、裁判やADRの手続を選択します。ADRとは、裁判外紛争解決手続のことで、私がよく利用する機関としては、
①交通事故紛争処理センター
②日弁連交通事故相談センター
の2つがあります。
これらの違いをまとめると、次のようになります。
裁判 | 交通事故紛争処理センター | 日弁連交通事故相談センター | |
賠償額算定基準 | 裁判基準 | 裁判基準 | 裁判基準 |
解決までの期間 | 長い(早くても半年から1年) | 裁判よりかなり短い | 最も短い |
遅延損害金・弁護士費用 加算の有無 |
有 | 無 | 無 |
利用できる場合 | 制限なし | 制限あり 制限詳細は、交通事故紛争処理センターウェブサイトで確認できます。 |
制限あり 制限詳細は、日弁連交通事故相談センターウェブサイトで確認できます。 |
拘束力の有無 | 有 | 裁定結果の尊重を表明している「損保会社」及び「共済組合」に対しては、事実上の拘束力有。 ※ただし、被害者は拘束されないため、不服があれば裁判で争い得る。 |
審査意見(評決)の尊重を表明している「共済組合」に対しては、事実上の拘束力有。 ※ただし、被害者は拘束されないため、不服があれば、裁判で争い得る。 |
手続の厳格さ | 厳格(負担も大) | 緩やか | 緩やか |
手数料 | 有 | 無 | 無 |
裁判 |
賠償額算定基準 |
裁判基準 |
解決までの期間 |
長い(早くても半年から1年) |
遅延損害金・弁護士費用加算の有無 |
有 |
利用できる場合 |
制限なし |
拘束力の有無 |
有 |
手続の厳格さ |
厳格(負担も大) |
手数料 |
有 |
交通事故紛争処理センター |
賠償額算定基準 |
裁判基準 |
解決までの期間 |
裁判よりかなり短い |
遅延損害金・弁護士費用加算の有無 |
無 |
利用できる場合 |
制限あり 制限詳細は、交通事故紛争処理センターウェブサイトで確認できます。 |
拘束力の有無 |
裁定結果の尊重を表明している「損保会社」及び「共済組合」に対しては、事実上の拘束力有。 ※ただし、被害者は拘束されないため、不服があれば裁判で争い得る。 |
手続の厳格さ |
緩やか |
手数料 |
無 |
日弁連交通事故相談センター |
賠償額算定基準 |
裁判基準 |
解決までの期間 |
最も短い |
遅延損害金・弁護士費用加算の有無 |
無 |
利用できる場合 |
制限あり 制限詳細は、日弁連交通事故相談センターウェブサイトで確認できます。 |
拘束力の有無 |
審査意見(評決)の尊重を表明している「共済組合」に対しては、事実上の拘束力有。 ※ただし、被害者は拘束されないため、不服があれば、裁判で争い得る。 |
手続の厳格さ |
緩やか |
手数料 |
無 |
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