2017.03.05
過失の立証責任とは、簡単にいうと、相手方に落ち度があったことを証明する責任のことです。
被害者が過失の立証責任を負うとすると、その立証ができなければ、被害者の請求は認められなくなります。
逆に、相手方(加害者)において「自分に過失がない」ことの立証責任があるとすると、結論は変わってくる可能性があります。つまり、裁判所が審理をしても加害者に過失が有るのか無いのか判然としないという結論に至った場合、この立場を前提とすると、被害者の請求は認められることになります。
自動車事故によって人身損害(怪我)を被った場合、人身損害に関しては、加害者において「過失がない」ことの立証を行う必要があります。
これに対し、自動車事故によって物的損害を被った場合、物的損害に関しては、被害者において、加害者に過失があったことの立証を行う必要があります。
要するに、人身損害は、物的損害に比べ一般的には被害者保護の必要性が高いため、立証責任の転換が図られているのです。
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