menu

お役立ち情報

お役立ち情報

お役立ち情報

お役立ち情報

2020.04.28

交通事故の物損(物的損害)の解決方法

目次

    まずは全損なのか、修理相当なのかの判断

    車の損害については、まずこの点を判断します(通常、加害者側の保険会社や修理業者が判断して教えてくれます)。

    全損とは、簡単にいうと、修理費用の方が、同種同等の車を買い替えるために要する費用よりも高くつく場合です。

    修理費用>車の価値

    そうすると、修理するよりも、同等の車を買い替えた方が経済的には合理性があることから、買替に要する諸費用を含めた車の価値が賠償の対象となるわけです。

    逆に、修理費用の方が安い場合には、修理をすることが合理的ですから、修理費用が支払われることになります。

    これが基本的な考え方です。

    ただし、修理しても評価損(格落ち損)が生じる場合には、配慮が必要です(詳細はここでは割愛します)。

     

    全損の場合

    車両本体の価値

    まず、車両本体の価値を算出します。

    通常は、保険会社が、中古車市場の情報などを用いて算出し、提案してきます。

    比較的新しい車両の場合には、「レッドブック」を用いて算出することが多いと思います。古い車両になると、レッドブックには掲載されていない場合もあり、インターネット上の中古車市場の情報などを用いて算出する場合もあります。

    いずれにしても、ある程度の相場が存在する話であるため、この点に関しては、保険会社からも、当初から妥当な金額が提案される例は、それほど珍しくはないように思います。

    もちろん、保険会社からの提案が低い場合もありますので、その場合には、資料(中古車市場の情報など)を収集し、増額を求めることも必要です。

    買替に要する諸費用

    全損の場合には、同種同等の車を買い替える場合に必要となる費用を賠償するわけですから、買替に要する諸費用も賠償の対象となり得ます。

    保険会社から、諸費用も含めた提案が、ご本人様相手に、特に交渉もなく、自主的になされているかというと、私の経験上、必ずしもそうではないように感じています。

    したがって、諸費用の賠償を忘れずに求めていくことが重要になります。

     

    修理の場合

    修理費用

    修理費用については、通常、修理業者側と保険会社側とで協議し、決まっていきます。

    したがって、通常の場合であれば、何か特別な配慮が必要になるわけではありません。

    評価損

    修理をしても、車の価値の減少が生じる場合があります。これを評価損(格落ち損)といいます。

    特に、車が新しい場合には、評価損の有無について検討が必要になります。

    その他にも、車の損害の程度、車の元々の価値、走行距離などの事情によっても影響を受けますので、評価損が認められるか否かは、見極めの難しい問題です。

    保険会社との交渉において、被害者から特に請求をしなければ、保険会社が自主的に評価損を認定して支払ってくれることは、あまりないと思います。

    したがって、評価損を請求する場合には、積極的に交渉していく必要があります。その場合、事故による減価が分かる査定書等を用意し、提出する場合もあります。

    修理をせずに修理費用相当額を請求できるか

    修理をせず、修理費用相当額を受領し、車を買い替える場合があります。

    また、損傷が軽微な場合に、修理費用相当額を受領し、修理はせずにそのまま使用し続ける場合もあります。

    修理をしたか否かにかかわず、修理費用相当額を請求していくことは可能です。なぜなら、法律上は、事故の瞬間に修理費用相当額の損害が発生したものと考えるからです。

    この場合において、よく問題になるのは、①消費税相当額が払ってもらえるのか、②代車費用が払ってもらえるのか、という問題です。消費税については、保険会社は、大抵、支払を拒否してきますので、交渉が必要になる部分です(この点は、本来認めてもらうべき部分だと個人的には考えています)。また、修理をしない場合の代車費用に関する保険会社の対応は、修理をしない理由にもよるように思われます。

     

    代車費用(修理、全損に共通の話)

    代車費用とは

    修理の場合でも、全損の場合でも、修理や買替えまでの期間、代車が必要になります。

    したがって、代車費用も賠償の対象となり得るものです。法律的な議論はともかく、保険会社の実務上の運用としては、代車費用は一般的に支払われています。

    ただし、いくつか注意点があります。

    代車費用の注意点

    ①期間の問題

    修理の場合には、修理が完了するまでの代車費用が支払われることが多く、期間が特別に問題になる事案は多くはありません。

    これに対し、買替の場合には、保険会社からは、1ヶ月又はそれ以下の期間で代車の返却を求められる場合も多いように思います。そのため、納車までに結構時間がかかる場合には、先に代車の返却を求められる場合も珍しくありません。納車以前に代車を返却しなければならず、どうしても代車が必要な場合には、新たに車を購入する業者と相談し、無料代車を提供してもらう等の方法で対応する場合もあります。

    いずれにしても、このような期間の問題が生じる可能性を念頭におき、修理や買替の準備を進めておくことが必要になってきます。

    ②過失がある場合

    被害者側にも過失がある場合に、もし有料の代車を利用すると、被害者側の過失に相当する代車費用が自己負担になってしまうおそれがあります。

    そのため、過失がある場合には、代車を使用しないか、あるいは、修理業者が手配してくれる無料代車を使用する等の方法を用いるのが無難かもしれません。

    あるいは、被害者側で加入している保険によって代車の手配が可能か否かを検討する場合もあります。

    加害者側の保険会社の運用としては、被害者側にも過失がある場合には、有料代車の手配は行わないケースが多いのだろうと思います。

    ③グレードの問題

    被害車両よりも高級な代車を使用することは、注意が必要です。その場合には、代車費用の相当性を巡って問題が生じる可能性があります。

    ただし、代車を手配する段階でその点は検討するでしょうから、この点が後から問題になるケースは、あまりないと思います。

     

    積載物

    車に積載している物が破損した場合にも、賠償の対象となり得ます。

    この場合には、物件損害自認書の申告用紙に破損内容等を記載し、写真と共に保険会社に送付します。この申告用紙は、保険会社からもらえるはずです。

    なるべく早期に申告することが重要です。積載物の有無や破損状況は、加害者側も認識していないことが多いため、申告が遅れると、事故との因果関係を争われる可能性が高まります。

    相当に価値があるものを積載していた場合には、可能であれば、事故現場で破損の事実を加者者にも確認してもらったり、その場でスマホ等を用いて写真撮影しておくことが望ましいと思います。

     

     

     

    交通事故のダメージを乗り越え、
    前向きな再出発ができるよう

    榎木法律事務所は
    3つの約束をします。

    • 学術的研究を通じ最新の議論にアンテナをはる研究活動と実務の二本立て
      学術的研究を通じ最新の議論にアンテナをはる研究活動と実務の二本立て
    • 細やかな準備で安心してお任せいただくスピーディで丁寧な対応
      細やかな準備で安心してお任せいただくスピーディで丁寧な対応
    • 後悔しないように最善を尽くしたいお客様に寄り添いともに歩む
      後悔しないように最善を尽くしたいお客様に寄り添い
      ともに歩む

    弁護士 榎木貴之

    無料相談のご予約はこちらから

    052-433-2305【受付時間】9:30〜17:30(平日)10:00〜17:00 (土曜) 夜間・土日祝日受付窓口のご案内

    相談予約・お問い合わせ

    相談のご予約・お問い合わせは
    こちらから
    052-433-2305【受付時間】9:30〜17:30(平日)10:00〜17:00 (土曜)

    【受付時間】9:30〜17:30(平日)/10:00〜17:00 (土曜)

    夜間・土日祝日受付窓口のご案内

    相談予約・お問い合わせ

    交通事故問題の将来

    愛知県内の人身事故発生件数(平成27年)は4万4369件と報告されています(愛知県警察本部交通部「愛知県の交通事故発生状況」)。死者数は213件と報告されています。年別の推移をみると、交通事故発生件数は年々減少しています。しかし、都道府県別発生状況をみると、愛知県は人身事故発生件数も死者数も全国一位となっています。愛知県内の地域別発生件数をみると、人口も多いからだと思いますが、名古屋市が最も多い1万4250件と報告されています。自動制御など自動化も徐々に進み、自動車の安全性能は格段に高まっているとはいえ、やはり自動車は「凶器」に違いありません(勿論、大変便利なものですが)。
    私も名古屋市に住んでおり、事務所も名古屋駅前の錦通沿いにあります。名古屋市内を走る錦通、広小路通、桜通などは車線も多く、しかも直線ですから、特に夜間などは相当な速度で走行する車も珍しくありません。車線変更の際に合図を出す、一時停止では止まって安全確認をする、そういったことを守らないドライバーを見かけることもあります。私は弁護士として数多くの交通事故案件を取り扱う中で、交通事故被害に苦しみ、人生を大きく変えられた被害者の方を沢山見てきました。現在の法制度では満足な救済が受けられず、弁護士として悔しい思いをしたこともあります。ですから、そうした無責任な運転行為をみると、心の底から腹が立ちます。 ただ、こうした交通事故問題を巡っては、近い将来、大きな変化が起こると考えられます。とても望ましい変化です。それは、2020年代には完全自動運転が実現される見通しとなっているためです。当然ながら交通事故発生件数は大きく減少するものと思われます。また、仮に交通事故が起きたとしても、自動車の位置情報が数センチ単位で把握できるようになるわけですから、事故態様の再現も容易になります。ドライブレコーダーのような画像情報も保存されるようになるはずです。これまでは、当事者の話や現場の痕跡などから事故態様を再現していたわけですが、そうした作業は非常に簡略化されていくものと思われます。加害者側と被害者側の主張する事故態様が大きく食い違う、という事態も少なくなるはずです。さらに、完全自動運転となれば、もはやドライバーの責任を観念しづらくなるため、責任の所在についても大きく変化していくはずです。当然ながら、法制度、保険制度の大幅は見直しが必要となってきます。 これからの10年間は、交通事故を巡る問題が大きく様変わりする時期だと思います。まだ議論は始まったばかりですが、弁護士として大変興味を持っており、今後研究を進めていきたいと考えている分野です。そのような変化の中で、交通事故被害者側の弁護士として思うのは、新しい制度が、被害者側に不利なものであってはならない、ということです。変化を見守りつつ、必要であれば、声を上げていくことも弁護士として必要なことだと考えています。

    榎木法律事務所

    〒450-0002
    愛知県名古屋市中村区名駅4丁目13-7
    西柳パークビル2F
    【TEL】052-433-2305
    【受付時間】
    9:30〜17:30(平日)/10:00〜17:00 (土曜)

    © 榎木法律事務所 All Rights Reserved.

    © 榎木法律事務所 All Rights Reserved.